東北で起きた巨大地震は、都心にも大きな影響を与えた。こんなに大きな影響をあたえるほどの大きな地震があったろうか。

まずは、東北太平洋沖地震により被災地でなくなった方へ哀悼の意を表すとともに、困難な状況下で励ましあい生き延びている方々にがんばっていただきたいと切に願う。

私の勤める学校でも、この大きな地震が影響し、生徒の安全を確保し、家庭に返すために教職員が対策を練り、夜どおし対応を続けた。午後2時半過ぎの地震発生直後に停電となり、電話も不通となった。外部との連絡手段がない中、結局、停電の復旧は夜の11時半頃になってからという状態だった(周りの地区はすでに復旧していたようで、本校の地区だけがその時刻まで復旧していなかったようだ)。私立学校なので、ウェブサイト担当として私が、生徒の安否情報、学校の対応状況を、どう家庭へ向かって情報発信したか、その記録として残しておこうと思う。

東北で起きた規模の地震が自分たちの生活するエリアを直撃すれば、以下の記録のような対策は、まったくの無力なものになるであろう。しかし、取り組んだことの記録が、インターネットの効果的な活用のために揃えるべき機材や利用できるツールやサービスの研究のひとつととなり、今後のうちの学校の今後の災害時対策の強化につながれば、と思い記しておく。

携帯端末から連絡システムへのアクセス、対応状況の一斉送信

勤める学校ではウェブサーバを立ててウェブサイトを運用している。何か緊急な事態が発生した場合、ウェブサイトに掲載をすることになっており、保護者にはそれを確認してもらっている。

しかし、ウェブサーバは最初の大地震による停電でダウンしてしまった。生徒の安全を確保したが、固定電話もケータイも通じない状態で家庭との連絡手段は、外部サービスを利用しているメール連絡網システムが機能するかどうかだった。通常は、職員室のPCからシステムにアクセスしてメール送信をするのだが、停電の中でそれは不可能。携帯端末からの連絡システムへのアクセスと連絡メール送信が必要だった。

私はiPhone4を利用してシステムにアクセスできるか試した。
できた。
学校での対応状況をメールに書き、送信。
これもできた。

地震による外部サービスのサーバ停止はなかったようだ。しばらくして私のiPhoneには送信したメールが届いた。その後開かれた職員会議の時に、教職員に「メールを送信したが届いているか」と聞いたら、届いているのは半数程度だった。遅延が起きているようだった。すべての家庭に現時点で確実に届いているかは不定であるが、サービスは機能している状態が確認できたことにまずは安心できた。しかし、iPhoneのバッテリの残りもそう長ないし、いつ携帯回線の不通が起きるかわからないという不安もある。はやく停電が復旧しないかという気持ちだった。

ティザリング+ノートブックで情報収集と発信が飛躍的に向上

日も暮れてあたりが真っ暗になると、少ない懐中電灯を使い校舎を移動する状態の中となった。ラジカセでニッポン放送からの地震情報を聞くか、iPhoneのサファリでウェブにアクセスし、情報を得るしかなかった。そんな中、原動機による発電がはじまり一部室内に照明が点くようになった。ノートパソコンも電気を使用させてもらえるようになった。

以前に実験をしていたのだが、同僚が持っているティザリング可能なAndroidケータイHTCを私のノートブックに接続し、ウェブへのアクセスが可能となった(私はパソコン用データ通信端末を持っていない)。ノートブックによるウェブアクセスが可能になったことで、情報収集力や入力操作環境が飛躍的に向上した。大きな画面とキーボードによる入力は、iPhoneよりはるかに利用環境がよくなった。ティザリングによるアクセスもおもったほど遅くはなく、十分利用できるレベルだった。iPhoneにティザリング機能があればいいのにと思った。

そのノートの画面でちょうどTBSがUstream中継をしていたのを見つけ、そこで始めて東北の被害の大きさを映像で見ることができた。一緒にディスプレイを見る同僚ともども大きな衝撃を受けた。

メール連絡とあわせてTwitterを使った情報提供

本校では公式Twitterアカウント取得し、広報サービスのひとつとして利用を開始したが、このような震災時に学校の状況を知らせる目的で使用するようになることは思わなった。メール連絡網による送信だけでなく、Twitterで情報を流すこともあるなとiPhoneをつかって状況を流したが、これもノートブック+ティザリングで操作感が向上した。ツィートしながら、この震災時におそらくトラフィックは多いだろうに、鯨が出ない事に気がついた。ケータイの通話や震災伝言板より、連絡ツールとしては使えるレベルになったのだろうか。

ひと通り、家庭への連絡がすむと、学校の前の交差点での交通整理の人員が足りないということで手伝った。外灯も信号もないコンビニの明かりもない真っ暗な闇、震えるほどの寒さのの中でランプ棒を振って交通整理をしながら、電気がある生活が当然だと思っていた。灯のある夜がどれほどありがたいものかと感じたことはなかった。

交通整理の担当が終り、校舎に戻ってからの11時半頃、ついに待っていた停電が復旧した。ウェブサーバの動作の点検。正常に再起動をしていることを確認した後、ウェブサイトへと情報を掲載することができた。

非常時のために家庭への連絡チャネルを複数用意することの大切さ

地域の学校なら、集団下校でそう通学距離も長くもないだろうから、すみやかに帰宅できるだろう。しかし、広範囲の地域から通学距離も長短様々な生徒を抱える私立の学校では、保護者への連絡・情報提供のためにインターネットを利用したサービスをしっかりと確保することが非常に大切だ。メール連絡システムやTwitterの情報提供ツールとしての利用は有効なことはもちろんであることを改めて認識したし、それだけでなくウェブにアクセスするために携帯端末やティザリング機能をもつ機器の活用は、非常事態の際の連絡チャネルのひとつとして用意しておきたいものだと思った。もちろん、そういう準備が一切合切無力になるほどの災害がやってこないことを祈るばかりだ。