ここ数日、SNS関係ではPokemon GO!の話題で持ちきりでした。米国では人気沸騰、日本への上陸ももうすぐだと噂されています。日本語サイトも開設されていますが、リリースのアナウンスはされていません。

ここ数年のOculus RiftやGoogle Cardboardのリリースととも、一気にVRとかARとかが身近なものに感じられるようになりました。そこにPokemon GOですから、2016年はVR/AR開花の年として刻まれるかもしれません。

で、ここでふと考えたのが、VRとARの違いってなんだろう?ということです。VRはVirtual RealtyでARはArtificial RealityいやAugumented Reality? 自分は似たような意味合いに捉え、あまり意識して使い分けをしていませんでしたが、実際にはどういう差異があるのでしょう。用語の整理をしてみたほうがいいと考え、ここに調べたことをピックアップしておこうと思います。

Virtual Reality(バーチャルリアリティ:仮想現実)

実際の形はしていないか形が異なるかもしれないが、機能としての本質は同じであるような環境をユーザの五感を含む感覚を刺激することにより理工学的に作り出す技術およびその体系。日本語では「人工現実感」あるいは「仮想現実」と訳される。-Wikipedia

興味深いのが、「仮想現実」という訳語についてです。本来のvirtualは「実質的な」という意味であり、上記引用サイトでも「…『バーチャル』の語は、『仮想』(または、擬似)という意味で和製英語的に使われ、さらなる混乱をもたらしている。…」と書かれています。もともと英語のvirtualは「表面上は違うが実質そのものである様子で、実質上と訳される」べきだと書かれてます。

2つ例として上げますと

  • Virtual Moneyは「電子マネー」のことであるけれど、偽金を指すのではない
  • Virtual Enemyは「仮想敵国」は、決して夢想した国で準備しているのではない

確かに「バーチャル」を「現実そっくりだが仮想の世界である様子」という意味で使っている日本人が多いのではないでしょうか

Artificial Reality(アーティフィシャルリアリティ:人工現実)

アーティフィシャルリアリティとは、コンピュータやセンサー、五感に対する各種表示装置等を駆使することによって得られる、人工的に構成された現実感のことである。この用語は、マイロン・クルーガ(Myron Krueger)が、1974年に発表した博士論文を起源とし、1983年に出版した『Artificial Reality』という書籍によって世の中に知られるようになった。 -IT用語辞典バイナリ

単なる現実のシミュレーションではなく、「実際には存在しないものが人工的に構成され、実際にそこにあるかのように感じられる。また、自分があたかもそこにいるかのような没入感があるといった特徴がある」とも書かれており、映画のシーンで言えば、Matrixでネオがモーフィアスとジュージュツのトレーニングをしているイメージでしょうか。

Augmented Reality(オークメンテッドリアリティ:拡張現実)

人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものを指す言葉。また、拡張現実感、強化現実、増強現実とも言う。-Wikipedia

拡張現実は仮想現実の変種であり、その時周囲を取り巻く現実環境に情報を付加・削除・強調・減衰させ、文字通り人間から見た現実世界を拡張するものを指す。 バーチャルリアリティが人工的に構築された現実感と現実を差し替えるのに対し、拡張現実は現実の一部を改変する技術である。

こうやって、ポイントを上げてみると違っているようでいて、それぞれかぶっているところもありで…。Virtual RealityとArtificial Realityが割と近いニュアンスでAugumented Realityは現実の拡張ということで差異が出ている感じでしょうか。こうやって見ると、Pokemon GOはAugmented Realityと言ってよいのでしょう。

ARという省略語は、どちらのニュアンスで示しているのか、意識するようにしたいですね。

後もう一つ、気になる用語を上げておきます。

Immersive Digital Environment(没入型デジタル環境)

没入型デジタル環境とは、コンピュータが作る人工かつ対話型の光景あるいは「世界」であり、人間がその中に入ることができる。没入型インタフェースとも。没入型デジタル環境はバーチャルリアリティとほぼ同義だが、現実(リアリティ)をシミュレートしているとは限らない。つまり、全く現実とはかけ離れた環境としてユーザインタフェースを構築したり抽象化することもあり、単にその中にユーザーが没入するという点が共通する。 -Wikipedia

Oculus RiftやCardboardといったヘッドマウントディスプレイやゴーグルは、まさにこの没入感を味わうためのデバイスになっています。単に実在する世界を体験するだけでなく、または現実空間とは全く違う人工空間を味わったりもできます。

先日、日本科学未来館で観てきたビヨークの映像やTEDでChris Milkさんが発表したWithinの没入感はまさにVirtual Realityだと思います。

 

Googleはこの6月にGoogle Expeditionという教育分野での仮想現実体験プログラムを公開しました。日本では残念ながらまだあまり注目されていないようです。しかし、教室に居ながらまさに訪問したい場所に移動できる、没入感いっぱいで体験できる、しかも安価というこのデバイを用いれば、教室にそれこそ「どこでもドア」を持ってこれるわけです。何かワクワクしますよね。ぜひ日本でも早く利用できるようにしてもらいたいものです。

最後に、2015年4月24日に開かれた「OGC2015」で、エピック・ゲームズ・ジャパン コミュニティ・マネージャーである今井翔太氏の言葉を紹介して終わります。

VRが最も新しいストーリーの展開方法だというものだ。ストーリーに「記録」という要素が加わると「本」ができる。さらに「演技」が加わると「劇」になり,そこに「カメラ」が加わると「映画」になる。映画に「インタラクション」要素が加わったものが「ゲーム」であり,それが「没入」できるようになると「VR」になる。VRというのは新しいストーリー表現の進化形ではないかというのだ。