高速インターネットの定着で、CNNやBBCのクリップ動画、New York Timesの記事のチェック、MLBのオンライン速報など、世界各国で提供されている情報を日本にいながらタイムリーに取得することも、大手メディア経由でなく、私たち一般人ができる日常の行為となりました。
そのバックボーンとなるのが通信手段としての海底ケーブル網。現在、海底ケーブルと言えば光海底ケーブルのことを指します。海を越えて国際間で通信が可能となったのは1851年。英仏海峡を挟んで海底ケーブルが敷設され、電信による通信が行われたのが最初でした。1866年には大西洋横断海底ケーブルが完成、その後、世界の海を海底ケーブル網が広がっていきました。その後、無線通信や衛星通信が発明されるなど、多様な通信手段が生まれました。しかし、現在の国際間の通信の99%は海底ケーブルで、非常に重要な通信インフラとなっています。国際ケーブル・シップ株式会社の海底ケーブルヒストリーから国際通信技術の変遷をまとめてみると以下のようになります。
- 1851年 英仏海峡に電信の海底ケーブル敷設
- 1866年 大西洋横断海底ケーブル完成
- 1871年 長崎−上海、長崎−ウラジオストック間海底ケーブル敷設(日本国内では1972年に関門海峡への海底ケーブル敷設し東京-長崎間の通信が可能となった)
- 1891年 英仏海峡に電話の海底ケーブル敷設
- 1901年 大西洋横断無線通信
- 1906年 東京−グアム間の電信海底ケーブルが開通
- 1964年 第一太平洋横断ケーブル(TPC-1)が開通
- 1967年 インテルサットⅡ号による日米間の衛星通信サービスの開始
- 1980年代〜光ファイバーによる海底ケーブルの開発・敷設
この海底ケーブルですが、どのようなルートで海底を這っているかご存知でしょうか?TeleGeographyが2012年度から毎年、海底ケーブルマップをサイトで公開しています。これらはインタラクティブ・マップとなっており、移動や拡大縮小ができます。年ごとに地図のテイストが異なり、直近の2017年マップは、映画「インディージョーンズ」からイメージしたデザインされているとのこと。レトロな感じいっぱいです。
2017年版海底ケーブルマップ
![170823-0006-w800](https://techforlearning.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/08/170823-0006-w800.png?w=736)
このマップを見れば、日本が他アジア諸国と米国をつなぐ重要な海底ケーブルのハブになっていることが一目瞭然ですね。
![170823-0007-w800](https://techforlearning.wordpress.com/wp-content/uploads/2017/08/170823-0007-w800.png?w=736)
このマップを見て、普段、ラップトップやモバイルデバイスの画面を見ているだけでは想像もしなかったのですが、デジタルデータの地球規模の旅の様子に思いを馳せると、敷設している方々の働きっぷりに感謝せざるを得ません。
具体的にどうやって海底ケーブルを敷設するのか、についてはNECサイトの動画を見るととてもよくわかります。その他、海底ケーブルに関わるリソースもいくつかピックアップしておきました。
こんなバックエンドの話もぜひ情報の授業で取り上げたいものです。
《Submarine Cable Map by TeleGeograpy 》
- Submarine Cable Map 2017
- Submarine Cable Map 2016
- Submarine Cable Map 2015
- Submarine Cable Map 2014
- Submarine Cable Map 2013
- Submarine Cable Map 2012
《関連情報》
- 海の底で世界中がつながってる!深海8千mの最先端ネットワーク、海底ケーブルのしくみ(NECキッズ・テクノロジー・ワールド)
- 日本のネットを「FASTER」に──グーグルが日米を結ぶ「高速海底ケーブル」完成(wired.jp 2016.07.01)
- 海底ケーブルは想像以上に脆い(wired.jp 2013.04.06)
- 海底ケーブルヒストリー(国際ケーブル・シップ株式会社)
《動画》
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